WindowsのAIはもっと身近になる?Microsoftが示した新しい方向性

2026年5月に開催された開発者向けイベント「Microsoft Build 2026」で、WindowsのAI機能に関する新しい発表がありました。

その中でも注目したいのが、「Windows AI API」の対応範囲が広がるという発表です。一見すると開発者向けの内容ですが、今後のWindows PCの使い方にも関わってくる可能性があります。

● Windows AI APIとは?

Windows AI APIは、アプリケーションからWindowsのAI機能を利用するための共通APIです。

これを利用することで、開発者は画像認識や音声認識、文章の要約といったAI機能をWindowsアプリへ組み込みやすくなります。

これまでは、AI専用プロセッサ(NPU)を搭載したCopilot+ PC向けという印象が強く、「AI機能を活用するには新しいPCが必要」というイメージを持っていた人も多かったかもしれません。

● NPUだけに依存しない仕組みへ

今回Microsoftが発表した内容では、一部のWindows AI APIでGPUを利用できるようになることが明らかになりました。

現時点でGPUに対応するのは、ローカル言語モデル「Phi Silica」を利用するLanguage Model APIが中心で、プレビュー版として提供されています。

一方で、文字認識(OCR)や音声認識、画像生成、画像の説明、画像のセグメント化、オブジェクト消去などのAPIについては、引き続きCPUまたはNPUで実行されます。

つまり、「Windows AI API全体がGPU対応した」というわけではありませんが、AIを実行するハードウェアの選択肢が広がり始めたと言えそうです。

● AIを使えるPCが増える可能性

今回の発表で特に興味深いのは、「AI専用プロセッサがなければAIは使えない」という考え方から少し変わり始めていることです。

PCの構成によって、NPU・GPU・CPUの中から適したハードウェアを利用する仕組みが整えば、AI機能を利用できるPCの幅も広がることが期待されます。

もちろん、GPU対応だからといってすべてのAI機能が高速になるわけではありません。しかし、今後対応するAPIやアプリケーションが増えていけば、より多くのWindows PCでローカルAIを活用できる環境が整っていくかもしれません。

● Windowsは「AIを使うOS」から「AIが組み込まれたOS」へ

最近のMicrosoftの発表を見ていると、AIは単独のアプリケーションではなく、Windowsそのものに組み込まれる方向へ進んでいるように感じます。

今回のWindows AI APIの進化も、その流れの一つと言えるでしょう。

現時点ではプレビュー段階の機能も多く、実際の対応アプリや性能については今後の展開を見守る必要があります。しかし、「AIは一部の高性能PCだけのもの」という状況から、「より多くのWindows PCで活用できるもの」へと変化していく可能性を感じさせる発表でした。

AI PCという言葉を耳にする機会が増えていますが、その定義も少しずつ変わっていくのかもしれません。今後のWindowsの進化にも注目していきたいと思います。

水曜担当:Tanaka



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