XR(AR・VR・MR)動向
先日WWDC2018が開催され、iOS12や次期macOSの基本機能が発表されました。
その中で、iOS11から追加されたARKitが更にグレードアップされて複数のデバイスでAR(拡張現実)空間を共有できる機能が追加されたことが紹介されました。
一方それと関連した言葉として、MR(複合現実)やVR(仮想現実)があります。
今回はAR、MR、VRにそれぞれどのようなアプリケーションが存在するのかまとめて見ようと思います。
XR(AR、MR、VR)について
XRは、Unity社が提供しているライブラリーの中で使われている言葉です。
以下Unity社のXRの定義です。
XR is an umbrella term, encompassing Virtual Reality (VR), Augmented Reality (AR) and Mixed Reality (MR) applications. XRはVR、AR、MRアプリケーションを総称する専門用語です。 |
また上記のサイトを見ますと、本当に名だたるIT企業(Google, Microsoft, Qualcomm等)が関連するライブラリーを提供していることが分かります。
このようにVR、AR、MRがXRと総称されるように、これらは、Reality(現実世界)というキーワードで結びつきがあります。
ですが、開発されるアプリケーションは大きく異なるので注意が必要です。
以下それぞれにおいてどういった技術が使われ、どのようなアプリケーションがあるのか、一つ一つまとめて見ました。
AR (拡張現実)

拡張現実 (wikipedia)
XRの中でもいち早く登場したのがARです。
特に有名なのがセカイカメラではないでしょうか? (このアプリが登場して今年で早10年経とうとしているのですね。。。)
セカイカメラは、スマートフォン端末に搭載されたGPS、加速度センサ、地磁気センサ、カメラを利用することで、特定の位置、特定の向きにスマートフォンを向けると、カメラ上に情報がオーバーレイで表示され、まさに現実世界を拡張するアプリでした。
同時期にARマーカーを使ったアプリも登場しました。
このときはまだAppleもARに関連するライブラリーを提供していなく、各社独自のARライブラリーやQualcomm社が提供するライブラリー(現Vuforia)を使用してアプリを開発いたしました。
こちらは画像処理によってマーカー上に3D空間を構築する技術が使用され、ARマーカーを随時トラッキングし、3D空間にマッピングするというとても計算量がいる処理は、まさにスマートフォンに搭載されたCPUだからこそ出来たとも言えます。
現在ではボケモンGoのように、マーカーがなくても地形を認識するマーカレスのアプリも存在しています。
このようにARアプリケーションは、現実世界を拡張するといコンセプトのため、位置情報を使ったものが多く、基本スマートフォンアプリが主戦場になります。
VR (仮想現実)

Google Cardboard (wikipedia)
VRアプリケーションは、専用のヘッドセットをつけることで、バーチャル世界にユーザー自身が転送されたかのような体験が行うことが出来るアプリケーションです。
VRアプリケーションのプラットフォームとしては、PlayStation VRが代表的ですが、実はVRプラットフォーム業界は熾烈な戦国時代が到来しております。
それぞれ各社専用のVRヘッドが販売されるだけでなく、専用のアプリストアまで展開され、まさに総力戦が繰り広げられています。
PlayStation VRは、カメラ画像からユーザの位置をトラッキングするという方式から位置トラッキングに弱いという弱点があり、ユーザは座ったままで、見渡すゲームが基本になります。
一方PC版のVRプラットフォームは、各社ユーザーの位置情報のトラッキングにすごい力を入れており、
ユーザは仮想空間を立ち回ることが出来ます。
(しかしながらそれぞれヘッドセットとは別に位置トラッキング用のセンサを配置する必要があります)
特にその中でもHTC VIVEは、位置トラッキングにおいて一抜けしているようです。
(参照 徹底検証!VIVEとOculus Touchのトラッキング機能にはどんな差があるのか? | VR Inside)
そのためVRアトラクションで展示されるアプリケーションでは、HTC VIVEがよく使われています。
以下、現在代表的なVRプラットフォームを展開している企業です。
企業 | プラットフォーム | ヘッドセット | ストア |
Sony | PlayStation4 | PlayStation VR | PlayStation Store |
Oculus (Facebook) | PC | Oculus Rift | Oculus Store |
HTCとValve Corporation | PC | HTC VIVE | SteamVR |
Android | Google Cardboard/ Daydream View | Daydream |
OculusはPCも必要としない、Oculus Goを日本でも先日販売を開始しました。
Oculus Goは、位置トラッキング機能はなく360度見渡すタイプのVRです。
このタイプは、すでにGoogleが先駆けてAndoroidを用いて展開(Daydream)しており、この先どうなっていくのか目がはなせません。
MR (複合現実)

Microsoft HoloLens (wikipedia)
MRは、マイクロソフト社が販売するMicrosoft HoloLens(ヘッドセット)で使われている言葉です。
ヘッドセットにはカメラが付いており、現実世界に3Dオブジェクトを表示することができます。
そのためMRは、マーカレスタイプのARとヘッドセットを使用するVRを組み合わせたものだとも言えます。
またMRアプリケーションは、Microsoft Store上のWindows MR(Mixed Reality)から専用のアプリケーションをダウンロードする事ができます。
それらのアプリケーションは、HoloLensだけでなく各メーカーから販売されているヘッドセットを使用することが出来ます。
MRの位置トラッキング方式は、外部のセンサを必要とせず、ヘッドセット一つで完結しているという特徴もあります。
(これはVRと違いMRはカメラを使ってマーカレスARと同じ様に位置情報をトラッキングする事ができるため、外部センサを不要にしているとも言えます。一方VRはカメラがないので、位置情報の取得にセンサが必要になります。)
Androidを使用するGoogleのDaydreamもMRは可能と思いますが、現状MRアプリケーションは、Windows専用のアプリケーションになります。
まとめ
今回簡潔にAR、VR、MRについてまとめてみましたが、Unityは、それらのアプリケーションをそれぞれ開発することが出来ます。
これから先もっともっとUnityを使うことが増えていくと思わされました。
しっかりと勉強しないと!
木曜担当
yoshimoto
参照
アップル WWDC 2018発表まとめ。iOS 12、watchOS 5、ダークモードの新macOSなど多数
VRやARとどこが違う? MR(複合現実)の仕組みと代表例『Microsoft HoloLens』を解説
ここがスゴい&ツラいよ「HTC Vive」! Oculus Rift&PS VRとの違いを知ろう
徹底検証!VIVEとOculus Touchのトラッキング機能にはどんな差があるのか? | VR Inside
Oculus Goが日本での発売決定!公式サイトより23,800円より購入可能! | VR Insid
MRとは? HoloLensのハードウェア/機能/アプリ動作/ユーザー操作
yoshimoto at 2018年06月07日 10:00:03