ハードウェア技術情報

こんにちはTamamoです。

近年IoTというワードをよく耳にするようになりました。
ただ、世間でよく言われるIoTは、「センサーを使って〇〇する」や、
「データをどのように活用するか」といった内容が多いように思います。
そこで今回はIoTでハードに何が求められているのかと考えてみました。
その中でもあまり注目されない電源についてスポットを当ててみます。

IoT時代において重要度を増す電源

電気製品は、その全てに電源回路が搭載されています。
当然ですがスマートフォンなどにも小型の電源回路が搭載されており、
電子機器の小型化、省エネ化などにより、電源回路は急激に進化しています。

その中でもIoTは小型化、省エネ化、多機能化などを実現しなければならず、
電源回路設計では難易度の高い電子機器ではないでしょうか。

IoT

IoTとは、”Internet of Things”の略です。家電など身の回りの「あらゆるモノ」が
インターネットにつながり、情報をやり取りすることで、
離れたモノの状態を知るまたは操作するというのがIoTです。

では、IoTに求められる電源とはどのような電源なのでしょうか?
IoTといえば、センシング技術やデータの活用といったことが取り沙汰されますが、
センサやICの電源電圧が多様化する中で電源回路の役割は非常に重要になってきています。

IoT機器への電源供給

IoT機器への電源供給の方法は以下の2点に分けられます。
 ・外部電源(IoT機器の外側からACアダプタなどの手段により供給する方法)
 ・内部電源(IoT機器内部に搭載されている電源回路)

外部電源では、例えば電源ケーブルの長さによる
電圧降下(ケーブルが長ければ長いほど抵抗が大きくなり電圧が下がる現象)を
気にする必要があり、内部電源ではコイン電池や乾電池などで電源を供給する場合、
電池切れを気にする必要があります。
そのため、低消費電力化や高効率電源の検討などの課題があります。

IoT機器で要求される電源

IoT機器で求められる電源回路は、
 ・小型機器では、電源の小型化、省スペース化が必要
 ・電池駆動では、低消費電力化、高効率化が必要
 ・ノイズに敏感なセンサを使用する場合、低ノイズ化は必須
のように求められる要求が高いといえます。

IoT機器の電源設計

それらの高い要求をクリアするには、
 ・小型ICを選ぶ・・・・・・・・・・・・・・・・・電源の小型化、省スペース化
 ・スイッチングレギュレータを選ぶ・・・・・・・・低消費電力化、高効率化
 ・プリント基板のパターンを最適化する。
 また、ノイズフィルタや金属板でシールドする・・・低ノイズ化
による対策が必要になってきます。
※スイッチングレギュレータ:高効率な電源

今後のIoT機器向け電源

IoT機器は電源回路設計の他にも、電源の供給手段が問題になってきます。
周りにIoT機器が増えてきたとき、長い電源ケーブルを配線したりするのは
あまり現実的ではありません。では電池にすればいいのかというと、
定期的に電池を交換しなければならないためメンテナンスが面倒です。
そこで近年、非接触で電源が供給できる「ワイヤレス給電」や、
周りの環境から微弱なエネルギーを収集して電力に変換する
「エネルギー・ハーべスティング」の開発が急速に進んでいるようで、
今後これらの技術を取り入れたIoT機器が増えてくるのではないでしょうか。

 

火曜日担当:Tamamo

参考&引用:吉田晴彦『トランジスタ技術アナログウェアNo.5』CQ出版社,2018年,pp.3-6



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